SenSprout Proセンサー進化の歴史 (前編)


現在、販売されているSenSprout Proセンサーですが、今の設計に至るまで様々な試行錯誤がありました。今回はその進化の歴史を簡単にご紹介したいと思います。
時をさかのぼること4年、2015年後半に初期の試作での数々の失敗を乗り越え、ようやく基本的な機能(土壌水分の測定・データの保存・無線通信でのデータ回収)が揃った先行量産機M1が誕生します。

当時の設計はこんな感じ。センサプローブ(下)・測定回路(左上)・通信ユニット(右上)はそれぞれバラバラになっていて、ケーブルでつながっています。消費電力を削り切れていなかったため、単1電池4つも搭載していました(苦笑)。ちなみに当時のセンサーは10, 20, 30 cmの3つの深さで土壌水分の他にNTCサーミスタを使って地温もとれるようになっていました。さて、実際にこれを全国各地の畑に持って行ったわけですが、早速問題が噴出します。

1. 箱がでかすぎる&重い
箱が大きいので、設置する際に結構な面積をとってしまいます。これまでの投稿で紹介したベビーリーフのハウスなどですと、隙間なく栽培を行っていますので、当然下敷きになってしまう野菜がでてしまいます。また、単1電池を4つも入れているので当然重くて輸送も大変です。飛行機で空輸した際には中で電池ボックスの固定が外れ、中で暴れて基板を破壊するなどという事件も。

2. プローブの形状がよくない
農業用の穴掘り器具(アースオーガーと呼ぶ)が基本的に丸い穴をあけるように作られているので、掘った穴に差込やすいよう円柱状のプローブがいいだろうということで、当時はこのように塩ビ管にフレキシブル基板で作った電極をまきつけて、熱収縮チューブで防水・絶縁を行うという設計になっていました。そこまではいいのですが、よくなかったのは両端です。まず、差し込む側の先っちょ(左側)にキャップがついていますが、これがかえしのような構造となって、設置後に土がしまってくると引っかかって土から抜けなくなるのです。「引っ張っても全然抜けない。。。どうしよう。。。」と思ったら当然右側のコの字型になっているところに手をかけて力いっぱい引きたくなるのが人情ですが、ここの部分は塩ビ管が接着されているだけのため、あっさり抜けます。こうして、図らずもプローブは使い捨て覚悟の運用となってしまいました。

これらの反省点を踏まえて改良を加え、約半年後に完成したのがM2です。
今回はこのあたりで。
次回はM2から現行型のIシリーズへの改良の経緯をご紹介します。ちなみに、M1とかM2とかIシリーズとかのネーミングはこれらのセンサが社内で丸い棒型の子機: 丸子(マルコ Maruko)、板型の子機: 板子(イタコ Itako)と呼んでいるのを対外向けにちょっとかっこよくMシリーズ、Iシリーズとしたものです。