SenSprout Proセンサー進化の歴史 (後編)


SenSprout Proセンサーの進化の歴史、後編は現行型のベースとなった第二世代丸子センサー(M2)から現行型への改良のお話しです。

M1型の箱がでかい・プローブが壊れる問題を解消したのが、こちらのセンサです。見た目は随分すっきりしました。通信モジュールと測定基板が小さな基板にまとめられ、単三電池2本で1年間動くようになりました(1時間に1回計測時)。基板が入った筐体は塩ビ管のプローブの上に接着されているので、ケーブルレスですっきりしたデザインになりました。実は他社製の土壌センサーも含め、土壌センサーはケーブルの取り回しが不便で、農作業中にひっかけたり、動物にかじられたりなどトラブルになりやすいのが農家の方からは不評でした。ひっかかりやすいキャップのでっぱりもなくしたことで撤去も簡単になり、取り回しはとてもよくなりました。

何度も抜き差ししても利用でき、定期的なメンテナンス作業を行ってやれば、かなり長期にわたって使用できたなかなか優秀なやつです。北海道の帯広に2016年7月に持ち込んだものの中には、なんと未だに稼働中のものもありますので、かれこれ3年以上も使えています。

さて、優秀だったM2型センサーですが、使っている中でやはり問題も生じてきました。

1. プローブが壊れると全とっかえになる
一体化した副作用として、筐体が防水のためプローブと接着されていることもあり、プローブが石にあたって傷ついた際にプローブ部分だけ交換というわけにはいかなくなってしまいました。また、もっと短いものが欲しいといったリクエストがあったときは先端をカットして接着しなおすという荒業が必要でした。

2. 筐体の外から強制起動ができない
基本的には1時間おきの測定でいいものの、設置直後にうまくとれているかな?と確認したいときや、水まき直後の今の水分量を知りたいという時にいちいちフタを開けてリセットボタンを押さないといけない構造になっているのが地味に不便でした。

これらの問題を解消して、これまた約1年後に投入されたのが現行型のセンサー(Iシリーズ)です。

基板は筐体の変更に合わせたレイアウト変更はあったものの基本構成は同じです。測定回路部分とセンサプローブがカードリッジのように抜き差しできるようになりました。これでプローブのみの交換修理や測る深さの変更が簡単にできます。
また、外から押せるリセットボタンも作りました。透明なシリコンキャップで防水されているので、ボタンを押すとLEDが青く光って、電池が残っているかなども簡単に確認できます。現在提供しているのは測定回路部分がよりコンパクトになったVer 1.5です。

一方でこの進化の過程でプローブを板型にし短くするという決断がありました。板型のプローブは下穴を掘って設置するスタイルではなく、耕した直後の柔らかい土に直接差し込むスタイルを想定しています。そうした設置方法では30 cmまで差し込むのは困難です。ハウス農家を想定した場合、そもそも30~40 cm程度までしか耕しておらず、それより下は硬い耕盤層になっているため、設置がとても大変だし、作物の根も入らないので、あまり深くまでとる意味はないという意見もいただいていました。展示会などではもっと深いところをとりたい!と言われることも多いのですが、実際の農業現場での利用シーンを考えれば、短めの方が実践的だということで10, 20 cmにしぼることにしました(ベビーリーフ向けにはもっと短いプローブも用意しています)。

農業の世界では多くの場合1年1作で何年もかけて地道に改善していくという時間感覚なので、1年おきにどんどんセンサーが新しく変わっていくのは新鮮にうつるのか、長くお付き合いいただいている農家さんからは「次はどんなのがくるんだろう」と楽しみにしていただいているようです。
現行のセンサーもまだまだ改善の余地はあります。今後も改良を重ねて農家にとって本当に使いやすいセンサーを開発していきたいですね。